新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、ウイルスという単語を多くの人が見聞きするようになりました。
しかし、ウイルスが一体どんなものなのか理解している方は意外と少ないです。
「ウイルスとは何か」「ウイルスはどのくらい小さいのか」「菌や細菌とは何が違うのか」について、どのサイトよりもわかりやすく説明します。
ウイルスとは?
非常に小さい微生物で、他の生物の中にしのび込んで増殖するものをウイルスと呼びます。
ウイルスの構造はとても単純で、設計図(DNAやRNAと言います)がタンパク質の殻に包まれてできています。
この設計図を他の生物の体内に侵入させることで、ウイルスのコピーを大量に作らせて増殖します。
ウイルスは生物なのか?というのは今も科学者の間で議論になっているようです。
ウイルスは自分だけでは増殖することができず、生物のように膜で包まれた細胞を持っていません。
一方、生物と同じようにDNAやRNAという身体の設計図を持ち、この情報をもとに体の構造がつくられています。
このように、生物に似ているところと似ていないところがあるのです。
ウイルスはどのくらい小さいの?
1mmであれば、ものさしで見慣れているので皆さんが想像できると思います。
そこからスタートして、少しずつ小さくしてみましょう。
10分の1の0.1mmになると、小さすぎてよくわからなくなってきますね。
2つの点があったとして、その2つの距離が0.1mm未満になると、人間の目で直接見分けることはできなくなります。
さらにその10分の1、0.01mmぐらいになると、ヒトの細胞の大きさぐらいです。
細胞は私たちの体を作り上げている小さな部屋のようなもので、数十兆個の細胞が集まって私たちの体はできています。
細胞と言っても色々な種類がありますが、私たちの体をつくっている多くの細胞の大きさは0.01mm~0.1mmと言われています。
そこからさらに10分の1、0.001mmぐらいになると、細菌の大きさになります。
細菌はシンプルな1つの細胞でできている生物です。乳酸菌や大腸菌などが有名ですね。
私たちの体の中にもビックリするほどいっぱいいます。
そして、さらに10分の1から100分の1、つまり0.0001mm~0.00001mmになると、ウイルスの大きさになります。よくわからないと思うので、図でお伝えします。
大きすぎて背景のようになっている肌色の部分がヒトの細胞です。よく見ると曲線になっています。
こう見ると巨大に思えるヒトの細胞ですが、実際は目に見えないくらい小さいです。
ウイルスは非常に小さいことがわかっていただけると思います。
ウイルスは菌・細菌とは何が違うの?
簡単な図にすると以下のようになります。
先ほどもお伝えしたとおり、ウイルスは生物なのかどうか微妙なところです。
とても小さく、内部で起こる化学反応も単純と言えます。
自分の力だけでは増えることができません。
一方、細菌はれっきとした生物です。
乳酸菌やビフィズス菌など、皆さんがよく耳にする腸内細菌もありますね。
ウイルスよりも大きいですが、私たち動物や植物の細胞よりは小さく、目には見えません。
ウイルスよりも複雑な生命活動をおこない、自分の力で増殖することができます。
菌類(真菌)は、実は細菌とは違います。
有名なものだと、キノコやカビなどが菌類に含まれます。
菌類は細菌よりもさらに複雑で大きな構造をしていて、生命活動がとてもダイナミックなものになります。
また、細菌よりも私たち動物に近いグループに属しています。キノコだと目に見えるくらい大きいので、なんとなく納得できますね。
以上、ウイルス・細菌・菌類の簡単なご紹介でした!