日本の地形は起伏にとんでおり、雨も多いので、土砂災害が起こりやすいです。
特に梅雨や台風の時期には多発します。
最近では、平成30年の西日本豪雨で大きな被害が発生したのを覚えている方もいるのではないでしょうか。
ですが、土砂災害とは何で、どのような種類があるのか知っている方はそう多くないと思います。
この記事では土砂災害の意味や種類について、わかりやすく解説します。
土砂災害とは、斜面の土砂が移動して人命や財産が被害を受けること
平らな地面だと土砂は安定していて動きにくいですよね。
一方、山の斜面だと少しの刺激で土砂が下に移動することがあります。
ただ土砂がザーッと動くだけでは、土砂災害とは呼ばれません。
土砂が動くことによって人間の生命や財産(建物や道路など)に被害が及んだ時、土砂災害と呼ばれます。
というのも、「災害」という言葉が、わざわいによって人命や社会生活に被害が生じることを指すからです。
では、土砂災害にはどのような種類があるのでしょうか?
日本で有名な土砂災害には3種類あります。
- がけ崩れ
- 地すべり
- 土石流
それぞれの特徴や違いについて、詳しく見ていきましょう。
がけ崩れ・地すべり・土石流の違い
3種類の土砂災害の違いを表にまとめると以下のようになります。
がけ崩れ
画像引用:砂防:がけ崩れとその対策 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/gakekuzure_taisaku.html
土砂災害と言えばがけ崩れのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
"がけ"という名の通り、急な斜面で起こるのが特徴です。
多くの場合、短時間に強い雨が降ることが原因で突然発生します。
地震や雪解けによって発生することもあります。
がけ崩れは突然起こり、土砂が崩れ落ちるスピードも速いので、住宅の近くで発生すると人命を脅かしかねない危険な災害です。
地すべり
画像引用:土砂災害防止広報センター | 地すべり
地すべりは緩い斜面で広範囲にわたって起こります。
上のがけ崩れのイラストと地すべりのイラストを見比べてみると、地すべりのイラストでは家が小さく見えますね。
斜面の傾きが緩いので、土砂の移動速度はゆっくりです。
1日に数mm以下しか動かないものが多いですが、地震などがきっかけで大きく動くこともあります。
地下に水を通しにくい部分があると、その上に地下水がたまります。
これによって地面が持ち上げられ、かたまりのまますべり落ちていくことで、地すべりが発生します。
そのため、地すべりが発生するかどうかには地層の種類が大きく関わっています。
土石流
画像引用:砂防:土石流とその対策 - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/dosekiryuu_taisaku.html
土石流は水と土砂が混ざって流れるもので、急斜面(谷)を流れ落ちることが多いです。
土砂だけだと簡単には動きませんが、そこに水が加わることによって移動距離が長くなります。
時速40km以上という猛スピードで流れることもあり、大小さまざまなサイズの石(岩)や流木を巻き込んで運ぶので、人命や建物に大きな被害をおよぼします。
土石流の原因は、おもに短時間の強い雨です。強い雨によって川にたまっていた土砂が勢いよく流れ出すことで土石流となります。
また、崩れた土砂が水の流れをふさいで天然ダムができ、そのダムが崩れることによって発生することもあります。
その他の土砂災害
落石
急な斜面から岩が落ちてくることを落石と呼びます。
雨や地震によって発生することもありますが、大型のバスや電車が通る時の振動で発生することもあります。
雪崩(なだれ)
雪崩は、斜面上を雪が流れ落ちる現象です。
雪の多い地域で毎年のように被害が発生しています。
火砕流(かさいりゅう)・火山泥流(かざんでいりゅう)
火砕流とは、火山の噴火によって噴出した溶岩のかけらや火山灰などが混ざり、高速で斜面を流れ下っていく現象です。その速さは時速100kmを超えることもあります。
また、火山の噴火によって溶けた雪や氷が火山灰などと混ざって流れることを火山泥流と呼びます。
深層崩壊(しんそうほうかい)
土砂災害の多くは地表に近い部分の土砂だけが崩れ落ちますが、まれに深い場所にある岩盤までもが崩れることがあります。これが深層崩壊です。
発生する土砂の量が非常に多く、大きな被害をもたらすこともあります。
以上、土砂災害の種類についての解説でした。
土砂災害の対策については、こちらの記事でまとめています。ぜひご覧ください!