はてなブログとWordPressのどちらでブログを始めよう?と悩む方は非常に多いです。そんな方へ向けて、この記事では収益・PVの観点からアドバイスいたします。
詳しいデータは後で紹介するとして、結論から言いましょう。
- 上位数%に入るぐらいの本気度でブログをやる人はWordPress、それ以外の人ははてなブログで始める方がよい
- 天才が稼ぎやすいのがWordPress、凡人が稼ぎやすいのがはてなブログ
- はてなブログの方が圧倒的にPVが上がりやすく、初期は特にPV・収益が高い傾向がある
- およそ150記事以上を目安に記事を積み重ねていくと、WordPressの方がはてなブログよりも多くの収益を得られる傾向がある
よく「収益化ならWordPressがオススメ!」という声を聞きますが、「お小遣い程度のお金を稼ぎたいな~」と思っているならはてなブログで始める方が良いと思います。
一応言っておきますと、私は決してWordPress反対派ではありません。
WordPressは優れたウェブサイト作成サービスでして、それは82.4%という圧倒的な国内シェアによって裏付けられています。(コンテンツ管理システムでのシェアなので、はてなブログは含まれていませんが)
WordPress、日本で82.4%という高いシェア | マイナビニュース
私自身も、以前WordPressを利用していたことがあります(当時は挫折してブログごと消去してしまいましたが…笑)
ただ、いくらWordPressが優れているからと言って、「収益化ならとりあえずWordPress」と明確なデータ無しに語る風潮はよろしくありません。
「本当にWordPressの方がはてなブログより稼げるの?」と疑問に思った私は、WordPressブロガー30人・はてなブロガー30人、合計60人の収益・PVを調査してみることにしました。
「WordPress 収益 運営報告」「はてなブログ 収益 運営報告」で検索し、検索上位の中で十分なデータが記載されているものを30記事ずつ、合計60記事を対象としています。
Googleアドセンス合格者の分析記事と同様に、下の図のような感じでデータを集めました。
調査項目
- ブログの運営期間
- 収益/月
- 記事数
- PV/月
※収益をうまい棒で表現している場合、1本を10円として換算
※記事数を明言していない場合、それ以前の記事数をカウントできる場合のみ調査対象とする
※2回以上運営報告をしている人でも、1データのみ抽出
- はてなブログとWordPressの平均値を比較
- はてなブログとWordPressの中央値を比較
- 運営期間と収益の比較
- 運営期間とPVの比較
- 記事数と収益の比較
- 記事数とPVの比較
- PVと収益の比較
- まとめ:収益化が狙いなら、本気の人はWordPress、普通の人ははてなブログ
はてなブログとWordPressの平均値を比較
はてなブロガー30人・WordPressブロガー30人の平均値を比較してみます。
「運営報告で収益を公開しているブロガー60人」のデータです。収益の公開は、頑張っている人・自慢したい人・意識が高い人がやりがちなので、ブロガー全体の平均値を表しているわけではありません。
あくまでも、はてなブログとWordPressを比較するためのデータです。
はてなブログ | WordPress | |
---|---|---|
運営期間(月) | 9.6 | 12.1 |
収益/月 | 26599 | 34271 |
記事数 | 164 | 140 |
PV/月 | 51262 | 18565 |
平均値のデータを比較すると、一見WordPressの方が少ない記事数・PVで多くの収益を上げられるようにも思われます。ただし、必ずしもそうとは限りません。詳しくは後ほど、中央値の比較で説明します。
PVについては疑いようもなく、はてなブログの方が強い傾向があります。特にブログ開設初期は圧倒的な差があると言えるでしょう。無料はてなブログの場合、最初からドメインパワーが付いてくるというメリットもあります。
ただし、必ずしもはてなブログの方がSEOに強いとは言えません。はてなブログでは、はてなスター・はてなブックマーク・はてなブロググループなどによって、検索やSNS以外でのアクセスが稼ぎやすいため、その影響でPVが上がっているからです。
ただ、それにしてもずいぶんと大きな差がついていますね。はてなブログの機能だけでこれほどPVが上がるのでしょうか。もしかすると、はてなブログにはWordPressよりもSEO的な強さがあるのかもしれません。
はてなブログとWordPressの中央値を比較
先ほど比較した平均値は、一部のトップブロガーによって乱されてしまいます。
例えば10人がブログを書いているとします。そのうち9人は月間1,000PVで、1人だけ91,000PVとしましょう。この場合、10人の平均値は10,000PVとなります。
この10,000PVという平均値は、10人のブロガー集団の「普通の人」を正しく表せていません。
同じことは平均年収にも当てはまります。何億円と稼ぐ一部のトッププレーヤーによって平均値が引き上げられ、ごく普通の庶民が「平均年収以下だ…」と言って嘆き悲しむのです。
これを回避するためには、中央値(順位が真ん中の人の値)を見る、という手があります。
こうすることで、順位が真ん中の「普通の人」の数値を知ることができます。例えば日本人の年収の場合、平均値は約436万円、中央値は約370万円です。今回の調査データについても、中央値を比較してみましょう。
今回は30人ずつデータを集めたので、中央値は15位の人と16位の人の平均値になります。
はてなブログ | WordPress | |
---|---|---|
運営期間(月) | 11 | 8 |
収益/月 | 5750 | 2650 |
記事数 | 126 | 97.5 |
PV/月 | 19500 | 5265.5 |
予想通り、収益・記事数・PVの値が平均値よりも大きく下がりました。トップブロガーがどれほど大きい数字を出していようと、真ん中の順位の人には影響が無いためです。
中央値と平均値を比較すると、1つおもしろい変化があります。収益を見比べてみてください。平均値ではWordPressが少し上回っていましたが、中央値でははてなブログが圧倒的に上回っています。
つまり、順位が真ん中の「普通の人」を比較した時、はてなブロガーの方がWordPressブロガーよりも倍以上稼いでいる、ということになります。
以上のデータから、天才が稼ぎやすいのはWordPressで、凡人が稼ぎやすいのははてなブログと言えるでしょう。
運営期間と収益の比較
ここからグラフや数値がいっぱい出てきます。
「数学の話…?ちょっと何言っているのかわからない」という方でも読みやすいように、後からできる限りわかりやすく説明しているのでご安心ください。
グラフをいっさい見なくても大丈夫なように、要点を言葉で説明しています。
細かい説明は読み飛ばしていただいても結構です。
それではまず、運営期間と収益の関係を見てみましょう。
はてなブログ・WordPressともに相関(そうかん)がみられます。グラフ中に表示されている「R2=0.4821」などの数値は、相関係数(そうかんけいすう)を2乗したものです。
※相関とは、ある一方の数値が変わるのにつられて、もう一方の数値も変わることです。例えば「最高気温が高いほどアイスの売り上げが上がる」などがあります。
相関係数は相関の強さを表す値で、0に近いほど弱く、1や-1に近いほど強くなります。グラフ中の数値は相関係数そのものではなく、2乗された値です。
画像引用:「相関係数」を正しく理解しよう | データ分析Navi
https://analysis-navi.com/?p=1142
両ブログとも、やはり運営期間が長いほど収益も伸びやすい傾向があると言えます。データの点が大きく外れている人を除外してみても、弱めの相関が見られました(下図)。
一部の天才ブロガーを除いた2つのグラフを見比べてみると、はてなブログの方が短期間で収益を上げやすい傾向が見られます。
近似直線をたどってみると、はてなブログは12ヶ月で月収8000円程度、WordPressは12ヶ月で月収5000円程度です。あくまでも収益報告をするような人限定のお話ですが。
6ヶ月目のデータの差は特にはっきりとしていますね。はてなブログでは5000円以上の人が多いものの、WordPressではほぼ全ての人が3000円以下になっています。やはりブログ初期に収益を上げやすいのははてなブログと言えるでしょう。
運営期間とPVの比較
PVも収益と同様に、運営期間が長くなるにしたがって伸びる傾向があります。WordPressでは相関が弱めですが、値が大きく外れている人を除外してみると、弱い相関があることがわかります(下図)。
2つのグラフの近似直線をたどってみると、はてなブログの方が圧倒的にPVを稼ぎやすいことがわかります。初期ほどその差は大きく、開始6ヶ月では2倍程度の違いがあります。
記事数と収益の比較
どう見ても天才ブロガーたちによって大きく直線がずらされているので、月収5万円以上の人たちを排除してみます(下図)。
どちらも相関が見られますが、特にWordPressは綺麗な直線状になっています。相関係数は0.66と、かなり強めの相関です。
両グラフを見比べてみると、およそ150記事以下でははてなブログの方が収益を上げやすく、150記事以上になるとWordPressの方が収益を上げやすい、という傾向が見られます。
WordPressで記事を積み重ねていくと、はてなブログを超える収益を得られる可能性があります。ガチでやっているブロガーは途中でWordPressに移転してしまうから、という説もありますが。
記事数とPVの比較
記事数とPVについても、月5万PV以上の天才ブロガーたちを排除して比較します。大きく外れた値が1つあるだけで、グラフ全体の近似直線が大きく変わってしまい、集団の特徴をつかみにくくなるためです。
どちらのブログでも、記事数とPVの間には相関が見られます。WordPressでは弱めになっていますが、左上の2~3点を外れ値として取り除くと高い相関係数になります。
やはりと言いますか、記事数に対するPVははてなブログの方が高いです。
ただ、WordPressのグラフ左上の3点を外れ値として取り除くと、記事数が増えていくにしたがって、はてなブログ・WordPressのPVの差は小さくなっていく傾向が見られます。
逆に言えば、はてなブログは記事数の少ないうちからPVを確保しやすいということです。
PVと収益の比較
とりあえず、外れ値を除去せずにそのままのグラフをご紹介します。横軸がPVで、縦軸が収益です。
PVが上がると収益も上がる傾向がありますが、Googleアドセンスだけでなくアフィリエイトをやっているかどうかで大きな差が生まれます。
特にWordPressのグラフを見るとわかる通り、月に6万PV以上あるのに収益が1万円未満の方もいるのが現状です。
アフィリエイトについての詳しい説明や、おすすめのアフィリエイトサービスについてはこちらの記事でご紹介しています。
さて、5万PV以上のデータを外れ値として除外してみましょう。
近似直線を見た感じでは、WordPressのほうが少ないPVでも稼ぎやすいように見えます。
ただし、WordPressの平均値は一部の人によって釣り上げられているということに注意が必要です。グラフの左下を見ると、WordPressブロガーの多くは5000PV以下・収益5000円未満のところに固まっています。
「すごい人はめちゃめちゃ稼ぐ一方で、普通の人はそれほど稼いでいない」というのがWordPressの特徴です。
まとめ:収益化が狙いなら、本気の人はWordPress、普通の人ははてなブログ
- 収益化が狙いなら、上位数%の本気度でブログをやる人はWordPress、普通の人ははてなブログで始める方がよい。
- 天才が稼ぎやすいのはWordPressで、凡人が稼ぎやすいのははてなブログ。
WordPressの方が平均的な収益は高いが、一部のトッププレーヤーが平均を釣り上げている。順位が真ん中くらいの人は、はてなブログの方が多く稼ぎやすい。 - はてなブログの方が圧倒的にPVを上げやすい。特に初期ほど大きくPV・収益を伸ばしやすく、1年以上運営している人を比較してもはてなブログの方がPVが多い傾向がある。
- およそ150記事以上書く人であれば、WordPressを選ぶ方が高い収益を得られる傾向がある。
デザインやWebスキルの向上などを気にするのであればWordPress一択ですが、
収益化が大事!という方であれば、長い期間をかけて多くの記事を書く人にはWordPressを、そこまでではない普通の人にははてなブログをオススメします。
WordPressの簡単な始め方については、こちらの記事をご覧ください。
はてなブログの始め方については、こちらの記事(公式)をご覧ください。
WordPressとはてなブログについて、収益・PV以外のメリット・デメリットについても比較した記事はこちら。