「どうやったらタイピングが速くなりますか?」という初心者の質問に対してよくある答えは、「ホームポジションを守って、正しい指で打ちましょう」です。
しかし、この「正しい指=速い」は半分正しくて、半分ウソです。
この記事では、正しい指で打つことのメリット・デメリットについて解説し、私がなぜ正しい指にこだわらなくても良いと考えているのか説明します。
タイピングがうまくなりたい方向けです。
正しい指(標準運指)で打つメリット
初心者が早くタイピングを習得できる
「タイピングを始めたばかりで、キーの位置を覚えていません!」という方。
このような方は、タイピングを極めたい場合を除いて、まずホームポジションや正しい指の使い方について勉強するのがオススメです。
というのも、ホームポジションを覚えて正しい指を使う方が、早い段階でキーボードを見ずに打てる(ブラインドタッチができる)ようになるからです。
ホームポジションを守れば、指を上下に動かすだけで多くのキーが打てます。
また、正しい運指ではそれぞれのキーを担当する指が決まっているので、迷わずに毎回同じ動きができます。
指の動きが単純なので、練習すれば誰でもキーボードを見ずに打てるようになるのです。
一方、自己流で使う指の本数が減らすと、指の動きが複雑になってしまいます。
これではブラインドタッチの習得が遅くなってしまいます。
(ただし、将来的に自己流の方がタイピングが速くなる可能性もあります)
ホームポジションや正しい指使いを覚えたい方にオススメの練習サイトは、こちらの記事でご紹介しています!
ベストな運指ではないが、かなり効率が良い
正しい指でキーボードを見ずに打てるようになると、キーボードを見ながら人差し指で打つよりはずいぶん速くなります。
「人差し指タイピングよりも速く、十分実用に足る速度が出る」
これが、正しい指でのタイピングの良い所です。
まずホームポジション・正しい指を知ることが上達への近道と言っても過言ではありません。
しかし、ホームポジション・正しい指というのは、実は最高効率の打ち方ではありません。
「ホームポジション・正しい指を守る人こそ、タイピングが速い」などとよく言われますが、実はそうとは言い切れないのです。
詳しくはデメリットのところでお話しますね。
正しい指(標準運指)で打つデメリット
打ちにくい指を使わなけれなばならない
突然ですが、キーボードで「あざ」と打ってみてください。
正しい指だと打ちにくいですよね。これには2つ理由があります。
- 不器用な小指を使うから
- 同じ指を連続で使うから
先ほど述べた通り、正しい指を使うとタイピングを覚えるのは早くなります。
その代償として、打ちにくい指を使わなければならないのです。
打ちにくい指を使い続けてしまうと、指や腕の疲労、腱鞘炎の原因にもなります。
一方、正しい指にこだわらずに自分が打ちやすい指を使えば、打ちにくい指(小指や同指連続)を避けることができます。
正しい指はタイピングを極めるうえで邪魔になるかも
タイピングは、あくまでも文字入力のためのツールです。
しかし、もしタイピングそのものを趣味や競技として極めたいという方がいらっしゃったら、正しい運指を無理に守ることは間違いです。
先ほども述べたとおり、正しい運指は「初心者が覚えやすい打ち方」であって「最高効率の打ち方」ではありません。
各々の指のサイズ・得意な指の動きによって、ベストな運指は変わります。
タイピングを極めたい方は、打ちにくい運指から自己流の運指へとアレンジしていきましょう。
タイピングが速い人は、正しい指を使っていない人が多い
超高速タイパーの運指
こちらは、様々なタイパーの指使いを学ぶことができる素晴らしいサイトです。
タイピング速度順に並べると、超高速タイパーの運指を知ることができます。
実際に何人か見ていただければ、タイピングが速い方のほとんどが正しい指を守っていないことにお気づきいただけると思います。
例えば、タイピング日本一決定戦「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP」で上位入賞されている方の運指表をご紹介しましょう。
引用:o-ckの運指表 - ユーザー | タイピングのキーボード配置ならみんなの運指表
標準運指の原型をとどめておらず、ほとんどのキーを器用な人差し指と中指で打っていますね。
また、上級者では当たり前のスキルですが、1つのキーを2本以上の指が担当しています。言葉によって指を使い分けているのです。
極端な例をご紹介してしまいましたが、上記のサイトをじっくりご覧いただければ、タイピングが速い人は正しい指使いにアレンジを加えていることがおわかりいただけると思います。
私の運指
私のタイピング速度は13打/秒ほどです。運指は以下の図のようになっています。
正しい指使いをベースにして、少しアレンジを加えているのがおわかりいただけると思います。
実はもともと正しい指を使って打っていたのですが、限界を感じて運指の最適化を行いました。
運指の最適化についてはこちらの記事をご覧ください!
【まとめ】タイピングは正しい指で打たなくてもいい
ホームポジションを守った正しい運指には、以下のような特徴があります。
- 初心者がブラインドタッチを覚えるのに便利
- 人差し指タイピングよりは効率が良いが、ベストではない
- 打ちにくい指を使わなければならない
- タイピングを極めたいなら無視してよい
正しい指で打つことにはもちろんメリットもありますが、あまりこだわりすぎるのも良くありません。
タイピングは正しい指で打たなくてもよいのです!
自分が「これだ!」と思えるような指の使い方を覚えていくのが良いと思います。